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原作MIX episode 79  かお、みれた

もともと風早が雪かきをして、爽子にご褒美をもらう(←安直!)的な短編の構想がありました。

19巻を読んで、ん……にてる、しかも素敵な二人に感動!

んな訳で作り変えました。

注)このシリーズは原作の一場面に管理人の妄想をMIXさせたもので、
原作通りではありません。ご注意の上、閲覧願います  <(_ _)>ペコリ







カーテンの隙間から覗く灰色の世界は、憂鬱な気分にさせる。
苦々しい思いで空を仰ぎ見た。

空と地面の境目を、無くすかのように、
世界を白一色で、埋め尽くすかのように、
雪は絶え間なく、降り続いている。

帰れば、うんざりするような、
仕事が待ちうけている。

少しでもがんばるために、
きみの笑顔が、みたかった。
きみのかおを、じっと見つめる。

言葉なく見入ってしまったせいか、
少し目を丸くしていたきみ。
また明日と、笑いかけると、
こたえるようにして温かい笑顔をくれた。

町中の音を全て飲み込んで、雪は降り続く。
世界は静まりかえって、
その営みのすべてをとめている。
音のない世界に、雪をかくスコップの音だけが、響き渡る。

誰もいない世界。
存在しているのは自分だけ。
白いため息をひとつ、ついた。
冷たい空気を大きく肺にすいこんで、自分を奮い立たせる。


なにをやるのも一生懸命なきみ。

「手伝うよ」っていっても、わたしの仕事だからって、
笑いながら一生懸命なきみ

そんなきみに、少しでも近づきたい。

きみと同じところまで、追いつきたい。

気持ちをこめながら、目の前の、終わりない仕事に、
夢中になって腕を動かし続ける。


……もし神様が本当にいるなら、頑張る俺にご褒美もらえっかな?


一体どのくらいたったのだろう?
精一杯やった俺に、褒美をくれるかのように、
雪がやみ、晴れ渡った星空が姿を現した。

無数に輝く星空を見上げる。
頭に浮かぶのは、きみのこと。

澄んだもの、きれいなものをみて、
心のやわらかいところが揺さぶられると、
たまらなく、きみに会いたくなる。


きみの顔が、みたい。

   俺を見て、うれしそうに頬をそめるきみに会いたい。

   やさしく俺の名を、呼んでほしい。


風早くんと、頬を染めてきみが俺を呼ぶ。
優しいきみの声を、くり返し耳の奥で再生する。

記憶に焼き付けているきみの笑顔。
まぶたを閉じて、思い浮かべる。
ふりそそぐ春の光の中、桜の中のきみ

学校でも会える、けど、
二人だけの時にみせる顔が、みたい
俺だけに見せてくれる、温かい笑顔が、みたい。


……この降るような星空、願いをこめれば、
気まぐれな星が、一つくらいあるかもな?


一面にきらめく星を見上げながら
もう一度、まぶたを閉じて、心に願う。

想いをこめて、ゆっくりと、目を開けたその瞬間に、
まるで届いたかのように、携帯に呼ばれた。


「あのね、声が聴きたくなったの。
   星がきれいだよ」


耳に響く聴きたかった優しい声。

君の声が届いた瞬間、心のスイッチが入る。 
きみが近くにいると知ったら、いてもたってもいらんない。
衝動がこみ上げてきて、足が勝手に動き出す。

さかんに雪を踏む音が、響き渡る。
静かな世界が動きはじめるように。


こんな風にあわてて走る俺、きみは知らないよね?

きみに会うためなら、何でも頑張れる俺、知らないよね?

     俺も、こんな自分は、知らない。


電話の声だけじゃもの足りない。
耳をくすぐるような、優しい声をちゃんと、聴きたい。
何よりも、温かなその笑顔がみたい。

ただそれだけ。
でも俺にとっては、何より大切なこと。


     かお、みたいんだ


きっときみは、突然の俺の行動に驚く。
そして恥じらいがちに、頬を染めて笑いかける。


「…黒沼!!」

「追いついた!!」


白い息が、周りの空気に溶け込んでいる。
息をきらせて走ってきた俺に、きみは目を丸くする。

じっと佇んだままだった世界が、きみを迎えて、静かに動きはじめた。
自分の存在さえも、意味のあるものに、変わる。


「かお、みたくて」

「みれた!」


「……風早くんと、今度ゆっくり話がしたい」

きみは驚きながらも、真っすぐな目を向けて
自分の気持ちを伝えてくる。
俺が思っていたことと、同じことを、
伝えてくる。


やがて長いまつ毛にふちどられた、
黒い瞳をゆっくりとふせて、俺の手にそっと触れてきた。


だいすきだよっていってくれた。
     聴きたいと思っていた声で。

頬を染めながら、笑いかけてくれた。
     みたいと願っていた笑顔で。


空からふわふわ雪が舞い落ちてくる。
舞い落ちる雪が、記憶の中の桜の花びらと、重なる。

心に焼き付けてあったきみの笑顔と、今の笑顔が、ぴったりと重なりあった。
一瞬の内に鮮やかに、過去と今、記憶が一つに、つながる。

眩しさにわずかに目を細めて、もう一度しっかりと、心に刻み込む。
白くやわらかい光が、きみを包み込んでいく。



      神様は、今日、最高のプレゼントをくれた。











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