FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

雪の上のラブレター 16

暑い日が続いてますね~
今日は仕事がお休みなのですが、
我が家ではクーラーをまだつけていません(←ケチなので)

暑い日に真冬のお話……
この際、自分のセンスの悪さはおいといて、
少しでもみなさんに涼しい気分を味わっていただければいいなあと思っております。

ところで15話のお話に拍手頂けてて、ほっとしました。
賛否両論、稚拙だーとか、色々ご意見あるかと思いますが、
少しでも「アリ」って思って頂ける方がいたかなあと
ほっとしてます。

もう少しで序章の部分に到達です。
こんなに長い妄想にお付き合い頂けているみなさま、
本当にありがとうございます。







次々と宿泊客が到着するロビーは、チェックインの客でざわめいている。
そのざわめきと対照的に、ロビーの一角では、さっきから沈黙の時間が続いていた。

風早たち6人は、テーブルの上に並んだルームキーを見つめて、黙りこくって座っている。
全員が誰かが話始めるのを、待っているようだった。

……どうして、みんな、黙っているのかな?
なんで早く部屋に入らないんだろう?
爽子が疑問を口に出そうとした時だった。

「ねえ風早、部屋、変えてもらえないの?」
気まずい空気を払いのけるようにあやねが口を開いた。

えっ? 部屋替えるって? どうして?
爽子は心の中で不思議に思いながらみんなの顔を見回した。
誰もがあやねと同じことを思っているようで、ウンウンとうなづいている。

「うん、俺、橘さんにいったんだよ……困るって。
でも、トリプルはないんだって。ベッド二台しか入れらんないって」

風早くんはさっきから、何度めかのため息をついている。

「3カップルだから3部屋分ね」
そういって橘が6人の座っていた目の前にカシャンとルームキーを置いたのは、
ついさっきのことだった。

あわてて風早くんが、橘さんに部屋を変えてよって頼みにいってたけど、
結局ダメだったみたいで、今、みんなでどうするか、一生懸命考えている。

爽子は首をかしげた。

……でも、何がそんなに大変なんだろう?
2人しか泊れない部屋が3部屋ってことは、
1部屋だけ男の子と女の子が一緒になるってことだよね?
……確かに着替えとか、お風呂とかは困るけど、そんときだけ、女の子だけの部屋になって、寝るときだけもとに戻ってまた一緒だったらいいんじゃないのかな?


……もし、もしだよ、私が風早くんと一緒の部屋だったら………?

頭の中で風早と一緒に部屋でお茶を飲み、お菓子を食べたり、
笑いながらおしゃべりする場面を想像する。

………やっぱり、無理かも―――!! 
頬がかあーと熱くなってきた。
……ずっと一緒はうれしいけど、そんなに一緒にいたら、
緊張して心臓、こわれちゃうかもしれない!!

それに、いくら私がよくても、
もしかしたら、風早くんがイヤかもしれないよね?


長い沈黙は相変わらず続いている。
誰しもが、何かいい案はないものかと頭の中で考えながら、
誰かがこの問題を解決してくれるのを待っているようだった。

沈黙を破ったのは龍だった。

いつもと全く変わらない淡々とした口調で、
「別に俺は千鶴といっしょでいいぜ?」
といって大きなあくびをした。

そして、「早く部屋にはいろうぜ」と、言葉を続ける。
龍の言葉を聞いた千鶴は、口も聞けずに、これ以上ないくらいに目を大きく見開いた。

「仕方ないなあ」
こめかみに片手を当ててあやねがつぶやいた。

「じゃあ、健人とあたしがいっしょになるわ。
爽子と千鶴、龍と風早でいいんじゃない?」

「えっ――! まじっ!!」
千鶴がでかい声を出して叫んだ。

千鶴の叫び声を聞いて、爽子はいけないっとばかりにあわてて千鶴の手を握った。

「……ゴメンね、ちづちゃん……
真田くんと一緒のほうがいいよね。
私が風早くんと一緒になるから、ちづちゃん、真田君と一緒になって?」

爽子の言葉を聞いて、今度は龍の隣にいた風早が絶句している。

「翔太、それでいいのか?」

「ちょ! いいのかって、いいのかって!
龍、そんなの、決まってんだろっ!」
風早は爽子には見えないように首を何度も横に振り、
ムリ、ムリ、ムリ、と小さな声で頭を抱えながらつぶやいている。

決まってる?
今、風早くん、決まってるっていったよね。
やっぱり、私と風早くんが一緒になるの、決まってるのかな?
お付き合いしてるから?
……決まってるんなら、ちょっと緊張するけど、がんばろっかな……
よしっとばかりに、爽子は胸の前で片手を握りしめた。

「私と風早くんで、真田君とちづちゃんなら、ちづちゃんもいいよね?」
荷物を持って、爽子が席を立ちあがった。

「さっ、爽! 違うって!」
あわてて千鶴が爽子の肩をおさえて無理やり座らせた。

「えっ? だってちづちゃん、真田くんと一緒のほうがいいんだよね」

「ちっ、ちがう、ちがう、ち――が――う!!」
千鶴が、頭を抱えながら、大声で叫んだ。

なんだろ?
何が違うんだろ?
ちづちゃんは真田君と一緒がよくて、真田君もちづちゃんと一緒がいいんだよね?

再び沈黙が6人を襲う。

「やっぱり、あたしが健人と一緒になるのがよさそうだね」
ふうっとあやねが、ルームキーをつかんで立ち上がった。

健人は、あはは……とひきつった笑いをしていたが、
あやねが立ち上がったのを見て、すぐにいつものような軽い笑みを浮かべながら
「あやねちゃんがいいならいいよ、ホラ、俺、紳士だから」
軽く親指をたてた。

千鶴は、まるで宇宙人でもみるような顔をして健人をみている。

「風早くん、私が風早くんと一緒なの、決まってるんだよね?
それなら、ちづちゃんも真田君と一緒になれるよね」

爽子はもう一度立ち上がり、ルームキーをつかみながら、
「風早くん、あのッ……ふつつかものですが、よろしくお願いしますっ」
そういって風早にぺこりと頭を下げた。

「えっ? ちょ、ちょっと! 黒沼っ!」

ぎょっとした風早があわててイスから立ち上がった。
その拍子に大きな音をたててイスがバタンと後に倒れた。

今度は風早があわてて爽子の手からルームキーをひったくった。

「違うんだ!
そうじゃなくて、うっ……、えっと、そう龍が、龍が、
どうしても俺と一緒がいいっていうから!」

「えっ? そうなの? 
でもさっき真田君、ちづちゃんと一緒でって……?」

「なあ、龍、俺たち、一緒でいいよな?」
風早が龍の肩に腕を回しながら、懸命に龍に目配せをした。

「え?」 
龍は、何の事が全くわからないという顔をしている。

「じゃあ、俺たち、一緒だから、黒沼、悪いけど!」

訳がわからないという顔をしたままの龍を、
風早が無理やり引きずるようにして、連れて行った。

「や、やのちん、ごめんっ!
とりあえず、あとでまたっ!!
あ、あたしたちも、早くいこっ!」

千鶴もあわててルームキーをつかんで、立ちあがった。

部屋に向かう階段を登る途中で、廊下の向こう側に自動販売機が
ずらりと並んでいるのが爽子の目に入った。

「あ、ちづちゃん、私、ジュース買ってから行くね。
ちづちゃんは炭酸だよね?」

「サンキュ……、じゃあ、先いってるわ」
疲れたような声を出して、千鶴は階段を先にのぼっていった。

千鶴を見送ってから販売機のほうへと向かいながら、

そうだ、相沢さんにも、今日のお礼に飲み物買っていこう。

急にそんな事を思いたって、ジュースを抱えながら相沢の部屋に向かった。






[君に届け 二次小説 風早 爽子] ブログ村キーワード
ランキングに参加しています。ランクインするとたくさんの方が訪問されるので励みになります。
ぽちっと応援していただけるとうれしいです。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

最新記事
プロフィール
君に届け大好きな管理人です。仕事の合間に少しづつ、UPしております。 ブログ拍手重視しておりますので、お楽しみ頂ければ、拍手頂けると、日々の励みにさせていただきます。 又、日々の中、努力しながら生み出している作品です。無断転載、複製などは固くお断りいたします。 中傷は困りますがコメント歓迎です。初めての方でも作品の感想などお気軽にどうぞ。

ぽぷら

Author:ぽぷら
FC2ブログへようこそ!

カテゴリ
月別アーカイブ
ブログランキング
ランキングにもご協力いただけたらうれしいです。お楽しみいただけたら、下のバナーをクリックいただけると、執筆の励みになりますのでよろしくお願いたします。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村 FC2 Blog Ranking
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。