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雪の上のラブレター 9

今日もまた、いちゃこらのお話が続くのをお許しください
昨日のお話の続きなんですが、長さの関係で二つにわけています
あんまり長いと携帯から編集できなくて……スミマセン




「あのっ、そのっ、 ごめんなさいっ!
私のせいで風早くんまで転ばせてしまって……」

「い、いやっ、違うんだ、今のは俺が支えきれなかったから!
俺こそっ、ごめんな」

爽子が謝ると、赤い顔をしたままで風早が答えた。

「ううん、私が……」
「いや、俺が……」

座りこんだまま二人して、自分の非を謝り続ける。
そんなやりとりをしばらく繰り返した後、
はっと一瞬顔を見合わせた。
自分たちがしていることのバカバカしさに、
急に気がついたのである。
お互いに顔を見合わせて、ふふっと笑みを交わす。

「黒沼、もうちょっと体の力、抜いたほうがいいかもね。
めちゃくちゃ、力入ってるもん」
風早は笑いながら爽子の手を引っ張り、そして立ちあがらせた。

「そっかあ、力を抜くのかあ……よーし、やってみるぞ」
でも知らなかったな。
スノーボードって、バランスとるのすごく難しいんだ。
恥ずかしいけど、怖くて、思わず風早くんにつかまっちゃうな。

何回、転んだだろうか。
その甲斐あってか、ようやく、ボードの上に
やっと立てるようになってきた。

「黒沼、スノボが難しいの最初だけだから。
バランスさえとれればすぐ滑れるよ。
下見るとバランスとれないから、前見てね」

足元ばかりをみてしまう爽子に風早は優しく教える。

何度も風早に助け起こしてもらいながら、
ふと風早が全然滑っていないことに気がついた。

「……風早くん、まだ全然滑ってないよね?
あの、私のことは大丈夫だから、
風早くん、今度は滑ってきて」

「え? 俺はいいよ。
黒沼が頑張ってるから、教えてあげたいし」

「でも、でも、風早くん、全然滑ってないよ。
私、本当に大丈夫だから、滑ってきて、ね」

「いいんだよ………俺が、俺が、一緒にいたいと思うんだ。
そのほうが、楽しいしな」
少し照れたような顔をしながら答えた。

……そんな風にいってもらっていいのかな。
私、ヘタで、迷惑ばっかりかけてるのに。
風早くんと一緒で、私はすごくうれしい。
うまくは滑れないけど、
同じ場所で、同じ時間を過ごせて、本当にうれしい。
でも、風早くんにも、もっともっと、楽しんでほしい。
それに……風早くんが滑るとこも、みたいな。

「やっぱり、風早くんにも滑ってほしいし、
私も風早くんが滑るとこ、みてみたい!」
爽子が目を輝かせた。

爽子の表情を見た風早は、一瞬考える素振りをみせたが、
「でも、一人でおりれないでしょ、ちょっと心配」
爽子を気にして、思いなおしたようだった。

「じゃあ、少しだけで、いいから、それなら大丈夫だよ!」
何度か押し問答を繰り返している時、
雪煙りがざあっとあがり、
目の前でターンをして誰かが声をかけてきた。

「爽子ちゃん、ここで滑ってたんだ」
相沢がゴーグルをずらして笑いながら声をかけた。

「あっ! はいっ、なかなか滑れなくって」

「俺も、あとで教えてあげるよ」

相沢は隣にいる風早のことをちらりと見て、
「いつでも交代するぜ」
そう言い残すと、軽くジャンプしながらスピードをつけて目の前を通りすぎていった。

風早は相沢の背中に向かって
「全然必要ねーし!!!」
大声で叫んだ。

「すっごーい! あんな風に滑れるもんなんだー 
かっこいい……」

相沢の滑りに感心している爽子を横目でみながら、
「俺だって、あのくらい滑れるよ」
不機嫌そうな顔をして風早はいった。

「やっぱり、やっぱり、風早くんが滑るとこ、みたいな」
爽子はもう一度期待に満ちた目をして風早を見た。

「うん、……よし!」
相沢の滑りを刺激を受けたのか、
風早は急にやる気になったらしい。
「じゃあ、先に降りてて、ゆっくりでいいよ、無理しないこと!」
ゴーグルを目にはめた。

爽子は慎重に横滑りをしながら、
そろそろと一人で先に降りて行った。
下からゆるやかな斜面を見上げて、風早の姿を確認する。

風早が片手を軽くあげて、ゆっくりとスタートした。
まるで測ったかのような等間隔で、
ゆるやかなシュプールがつけられいく。
斜面を下りてくるうちに風早のスピードは、
どんどんあがっていった。

真っ白な雪の上で上半身はしっかりと安定させながら、
下半身だけがリズムをきざむ振り子のように揺れて、
ターンを決めていく。
ターンのたびに風早の体がぐっと沈み込み、
さらさらの雪が煙のようにさあっと舞い上がる。
流れるような一連の動作をしながら、優雅に滑り降りてきて、
スピードを落としてゆっくりと爽子の前で止まった。

風早くん、かっこいい……

「風早くん、かっこいい!
すごく、すごくかっこよかった!」
感心して見惚れていた爽子はパチパチと両手を叩いた。

「そんなに誉めちゃうと、俺、本気にしちゃうよ?」
「本当だよ! 本当! すごく、すっごくかっこよかった!」

「へへっ」
風早は少年のような笑顔をして、照れたように首の後をぽりぽりとかいた。







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