FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

黒沼とのデート 下心編 2

雪の上のラブレター 序章がなかなか好評のようで……
着々と拍手が増えております。
爽子視点のお話のほうが人気なのかな?

これは風早視点のお話ですが、
楽しんで頂けたら~と思ってます。





翌日の朝は少し肌寒かったけれども、
晴れた空が広がっていた。
風早は待ち合わせ時間より早く到着するように家を出た。
どうせ家にいても、何も手につかず、
落ち着かないのが分かっている。
時間より早く待ち合わせ場所に到着して、爽子の事を待つ。
この待ち時間がとても好きだ。

爽子も早めにくるだろうから、やがて姿をあらわすに違いない。
いつも嬉しそうな顔をして駆け寄ってくる彼女を待つ時間。
たとえ待たされているとしても、彼女があらわれると同時に始まる二人の楽しい時間のことを考えると、苦痛どころか、こうして待っているのがとても楽しくなる。

「お、おはよう」
爽子が息を切らしながら走ってきた。
「おはよう」
穏やかにほほ笑んで、風早が答える。

今日は地元の港から出ているフェリーにのり、
日本海に浮かぶ島に行く予定だった。
地元の島なので、特に目新しいものはないが、
のんびりと草をはむ羊をみながら、サイクリングができる。
この前遠出したので、今日は近場でのんびりするデートを選択した。
あらかじめ黒沼に今日の予定を話していたせいか、
張り切っていた黒沼は今日は動きやすいパンツスタイルできた。

「自転車なんて久しぶりだなあ。小学生以来かなあ?
上手くのれるといいんだけど」

「小学生からずっと乗ってないの? 
俺なんかいつもチャリだよ」

黒沼は小学生の頃を思い出したようで、ふふっと優しく笑った。
いつもの優しい黒沼の微笑みをみながら、じんわりと二人でいる幸福感が俺の胸に広がっていく。

フェリーから下りて自転車を借り
のんびりとサイクリングをスタートさせた。
島には1周約10キロくらいのコースがあり、
わりと平坦な道が続いている。
左手には深い青をたたえた海が広がり、
茶色の葉をつけだした木々の間からは、羊たちがのんびり草をはむ光景がみえる。
少し肌寒い季節だが、観光客もいないこの時期は、のんびりとした風景を楽しむことができた。

黒沼は久しぶりに自転車に乗ったせいか、
ちょっとふらつきながら、ゆっくりと俺についてきた。

時々「きゃあ」とか「わわ……」
とかの焦り声が背中から聞こえてくる。

「黒沼っー! 大丈夫?」
俺が後ろを向いて声をかけると

「だ、大丈夫! 遅くてごめんねー!」
真剣な顔をした黒沼が自転車をこぎながら返事を返した。

のんびりと景色をみながら自転車をこぐ。
切り立った崖の向こうには真っ青な日本海。
道のこちら側には360度の草原が広がる。
何もない島だけど、景色だけは最高だ。

黒沼もそんな景色を楽しんでいるのか、
のんびりと景色をみながらこいでいる。
黒沼の数メートル先を走っていた俺の目に、
少し先に急な下り坂があるのが映った。
芝生に囲まれた坂道には誰もいない。
そんな風景をみながら心にちょっとしたイタズラ心が芽生えて、自転車を止めて、後ろを振り向いた。

「黒沼、ちょっとここから二人乗りしてみよっか?」
「え? 重いけど、いいのかな?」
少しためらいながら、黒沼は自転車のスタンドをたてた。

「いいよ。 大丈夫だから」

遠慮しながら、後ろにのってくる黒沼の手をとって
ベルトをしめるようにしっかりと俺の体につかまらせた。

「いくよっ!」
ぐっと両足に力をいれてこぎ出す。

ぐいぐいと自転車をこぎ、スピードをあげていく。
両側に見える景色がどんどん変わっていく。

「かっ、風早くん、早いっ!」
黒沼は俺にしっかりとつかまっている。
ぐんぐんと走る自転車の目の前に坂道があらわれた。

俺の背中越しに坂道をみつけた黒沼は、
一向にブレーキを踏む様子がない俺に向かって

「か、かーぜーはーやくーん、坂! さーかあるよっーーー!」

と焦りながら叫んでいる。

「知ってるよーーーー!」

俺はだんだん楽しくなって、
スピードをゆるめることなく坂道にさしかかった。
自転車のスピードがぐっとあがる。
車輪の回転が速くなる。
どんどん勢いがついていく。

「ひゃっほう!」

俺は愉快になって叫んだ。
一気に急坂を走り下りる。

「きゃあーーーーーーー!」

後ろで悲鳴をあげながら黒沼は俺にしっかりとしがみついている。

坂道が自転車にさらにスピードを加える。
ジェットコースターに乗っているような気分だ。
びゅうびゅうと強い風が、俺と黒沼の髪を吹きあげていく。
目のはしに映る木立と芝生の緑がどんどん流れていく。
俺は両足をペダルから離して、自転車の速度にまかせてそのまま坂を走り下りていった。

「最っ高!!」
坂道をおりきったところでブレーキをかけて止まった。
後ろを振り返って黒沼の様子を見ると、

「すっごい! ドキドキしたー! びっくりしたー!」と
心臓をおさえながら、上気した顔を向けた。

「こわかった?」
「ううん。 風早くんにしっかりつかまってたから、大丈夫!
とっても気持ち良かった!」

「じゃあ、もういっかいする?」
ちょっと意地悪っぽい目をしてわざと聞いた。

「あっ。 もう、大丈夫です! 結構です……」
焦ったような顔をしてあわてて黒沼が答えた。

「あははっ! 冗談だよ。 冗談!」

ゆっくりと自転車をひきながら、羊たちのいる牧草地を通り抜けていった。












[君に届け 二次小説 風早 爽子] ブログ村キーワード
ランキングに参加しています。ランクインすると励みになるので応援頂けるとうれしいです。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村

拍手コメの非公開の方のお礼レスをつけていいかどうか分からずにお返事していませんでした。
他サイトの方を見るとカテゴリの中などでコメントしているようで納得。
大変遅くなってしまいましたが、この場でお礼レスさせていただきます。

らっこ様
コメ一番最初に頂きました。
とてもうれしかったです。
今みるとあきれてしまうような文章。それなのにうれしいコメありがとうございました。

ぺろぺろキャンディ様
時々サイト訪問させてもらってます。
色っぽい二人にドキドキしてます。
「君に届け」一緒に応援していきましょう!!

りりい様
そんな風にいって頂けると
はりきってしまいます。
現在は作品数をふやすことに心血そそいでいますので
少しづつですが、毎日更新を心がけています(日曜日は休業です、土曜日も時々お休み)
また、ぜひお立ち寄りを!

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

最新記事
プロフィール
君に届け大好きな管理人です。仕事の合間に少しづつ、UPしております。 ブログ拍手重視しておりますので、お楽しみ頂ければ、拍手頂けると、日々の励みにさせていただきます。 又、日々の中、努力しながら生み出している作品です。無断転載、複製などは固くお断りいたします。 中傷は困りますがコメント歓迎です。初めての方でも作品の感想などお気軽にどうぞ。

ぽぷら

Author:ぽぷら
FC2ブログへようこそ!

カテゴリ
月別アーカイブ
ブログランキング
ランキングにもご協力いただけたらうれしいです。お楽しみいただけたら、下のバナーをクリックいただけると、執筆の励みになりますのでよろしくお願いたします。
にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村 FC2 Blog Ranking
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。