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君の瞳に恋してる 12

いよいよこのお話もクライマックス突入です。

ちょいと長文のためお時間あるときにどーぞ。




「か、風早くん、どうしたの?」
風早の顔色を窺うように爽子はいった。

爽子は体に走る緊張感を隠せずにいた。
私、震えている。
なんだか、すごく緊張する。
いつも通りにしなきゃと思うのに……。
でもいつも通り? 
いつも通りってどんな風だっけ?
私、風早くんにどんな風に接してきたっけ?

体中が大きな緊張に飲み込まれて、
その場に体を固くしたまま立ちすくんでいた。

「黒沼、さっき……俺の事気が付いたでしょ?」
すっと爽子のほうに近づいた風早が、
まるで逃げだすのは許さないとでもいうように
自分と壁の間に爽子をはさんだ。

「なんかあった? 俺、なんか気に障ることした?
ちゃんと言って! ……話してくれないと、俺、分かんない」

風早が真剣な顔つきで自分を真っすぐにみる。
だが、爽子は風早の顔をまともにみることができない。
やっと顔をあげたと思ったら、またうつむいてしまった。

「黒沼、俺のほう、ちゃんと見て!
…なんか最近おかしかったよね。 変だよ。 なんかあった?」

下を向いたまま、自分の手をぐっと固く握りしめる。
……いえない。
風早くんに、いえっこない。
あの先輩と楽しそうに話している風早くんのことを、
見ていられなくて、
見たくなくて、
目をそらしたなんて……
他の女の子に嫉妬しているなんて、絶対に、いえない……

橘さんとのことで知ってしまった嫉妬の気持ち、
生まれてしまった独占欲の気持ち。
こんな気持ちを知られてしまったら、
風早くんに嫌われてしまう。

風早は爽子が何かを言いだすのをじっと待っている。

「なん、でも、ないから」
声を詰まらせながら爽子が、口を開く。
その瞬間、涙がぽろぽろとこぼれてきた。

風早くんに嘘つきたくない。
誤魔化すこともしたくない。
……でも、本当のこともいえない。
風早くんにだけは、絶対に、絶対に嫌われたくない。

涙が止まらない。
どうしよう。
困らせたくない。
嫌われたくない。

「黒沼、どうしたの? 何でもなく、ないよね。
俺、何でもいってほしい」
目の前の爽子の涙の意味が分からずに、
優しく風早が問いかけた。
心配そうな顔をして自分をみつめている。

こんな自分ではだめ。
いつまでもウジウジひきずってたらダメ。
……風早くんを困らせてしまう。
笑って普通に話さなきゃ。

でも……
こんな風に、真っすぐに私のことをみてくれる
風早くんをごまかせる?
いつも私に正直な気持ちを伝えてくれる風早くんに、
私も正直な気持ちで向き合いたい。

急に村岡にいわれた言葉が、頭の中に浮かんできた。

『同じとこにいるだけじゃ、何も変わらないっていったろ』

このままじゃ、こんな気持ちにとらわれたままじゃ、
一歩も動けない。
爽子は目にいっぱいの涙をためていたが、
やがて意を決したように風早を見た。

「見れ、ないの」
弱々しい小さな声で切り出す。

「え?」

「風早、くんのことが……見れ、ないの」
声をとぎれとぎれにさせながら、話す。

「黒沼……? 見れないって何? どういうこと?」

「いやなの。 こんな自分がすごくいやなの。
風早くんが……、他の女の子としゃべっているの、
見れないの……」

「黒沼……」
風早が驚きの表情をみせた。

「……ごめんなさい。こんな私、消えてしまいたいくらい……」

やっぱり、私、全然だめだ……
風早くんの隣にいられるだけでいいって
それだけでとっても幸せなことだって、
そう思っていたのに。

風早はしばらく驚いたまま、爽子を見ていた。
やがて爽子の泣き顔を覗きこみながら、
ゆっくりと確認するように問いかけた。

「あのさ、黒沼のいってることって、さ?
もし俺のいってること間違ってたら、
笑ってくれてもいいんだけど。
……もしかして、ずっとヤキモチやいてた?」

頬にポタポタと涙をすべらせながら、
爽子は首をコクンと縦にふった。
風早は心配そうに顔をのぞきこみながら、
爽子の肩に両手をおいてもう一度確かめるように、
爽子に問いかけた。

「それって……すごく、
俺のこと想ってくれてるって、ことだよね?」

爽子は今度は思いっきり首をコクコクと縦にふった。
そして涙で真っ赤になった瞳で、
恥じらいながら風早を見上げた。

「……ごめんなさい。風早くん。
こんなこといって、ごめんなさい。
でも……これが私の正直な、気持ちなの」
肩をふるわせて、しゃくりあげてしまい、
それだけいうのが精いっぱいだった。

風早くんに言ってしまった……。
もう、嫌われたかもしれない。
いやな子だって思われたかもしれない。

風早くんが今どんな気持ちでいるのを考えると、
足元が崩れていきそうな不安におそわれる。
胸がぎゅっとしめつけられるようにつらい……。

止まらない涙を片手でぬぐった時、、
急に自分の肩が引っ張られて、
ぐいっと風早に抱き寄せられた。

「か、風早くん?」
驚きながら、とまどいの声を発した。

「ゴメン。黒沼。
ずっと嫌な思いさせてて、ゴメン。
俺、自分のことばっかりで、
ちっとも黒沼のこと考えていなかった。
黒沼が、どんなにイヤな思いをしているか、
気がつかなかった。
……自分のことしか、考えてなかったんだ。
不安にさせて、本当に悪かった」
風早がため息まじりに、何度もごめんと繰り返す。

「……風早くんは……悪くないよ」

「そうじゃないんだ。
悪いとか、悪くないとか関係ない。
俺が、黒沼に嫌な思いさせたんだ。
でも………」

そう言いながら、風早が急に言葉を切った。
次の瞬間には、「なんか、すっごく、うれしい!」
と、風早が急に満面の笑みを向けた。

「えっ? か、風早くん?」
爽子が驚いて見上げると、少年のような顔をして
にこにこと顔をほころばせている風早がいた。

予想していなかった風早の言葉や態度に、
爽子はとまどいを感じて、どうしたらいいのか、
分からなくなった。
だが、嬉しそうな風早の笑顔を見ていると、
心の中で重くのしかかっていたものが、
じんわりと溶けていくのを感じる。

さっきまでは、本当に不安に押しつぶされそうだったのに、
風早くんの笑顔をみたら、なんだか、気持ちがぱあっと晴れてきた。
風早くんの笑顔で、心がゆるくほどけていくな……


「俺、すっごい嬉しいよ」
風早は愛しくてたまらないというように、
爽子の頬に自分の頬をくっつけた。
そしてほっとしたような顔をして爽子の額にコツンと自分の額をあてた。

「風早くん、イヤ、じゃなかったの?」
額をくっつけたままの姿勢で、爽子がおそるおそる聞いた。

「イヤ? 何が? 嫌なわけない!
うれしーに決まってんじゃん!
もう、俺、今、スッゲー嬉しいんだから!!」

まだ理解できずに訳がわからないという顔をしたままの
爽子を、風早は、我慢できないとでもいうように、
もう一度ぎゅっと抱き寄せた。

しばらくして昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴りだした。
風早は爽子をずっと抱きしめたままだったが、
やがてゆっくりと、名残惜しそうに体を離した。

だが、「あー、行かなきゃなー」と校舎のほうを見ながら
つぶやいたきり、爽子の肩においた手をどけようとせず、
その場から動こうとしない。
そして「うーん」と、パズルでもとくような、考え込むような声をだしたと思ったら、今度は急にソワソワとしだした。

「風早くん? どうしたの?」
爽子がまだ涙の乾ききっていない大きな瞳を風早に向けた。

あれ、風早くん、何だか顔が赤い?

そう思った次の瞬間、
風早は爽子の唇ににチュっとキスをした。

「か、風早くん!!」(/////////)

「へへっ。 我慢できなくなっちゃった」
風早はいたずらっぽい目をして、
満足そうににっこりと微笑んだ。






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Re: したよ~~!

じぇぐさま
コメありがとうございます。
そんなに喜ばれると、もっとさせたくなっちゃいますね。
風早、がんばるぞ~

したよ~~!

風早、キスしたよ~~
めちゃくちゃ嬉しい~~よ~~
良かった。やっぱりカッコイイです。風早サイコーです。
ウフフ。
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