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君の瞳に恋してる 6




ここまで、お付き合いありがとうございます。
まだ、お話続きますので、お付き合い頂けるとうれしいです。







風早は保健室にいったものの、橘の姿は見当たらなかった。
聞くと、母親が迎えにきて、病院に連れていったらしい。
やはり捻挫だったようだ。
学校にはもうすぐ戻って来るらしかった。

良かった~。 捻挫ですんで……。
俺は、ほっと胸をなでおろした。

安心したせいか、緊張がどっとゆるんできた。
しばらく保健室の前でボンヤリと立ちつくしていたら、
俺の後を追ってきたのか、黒沼がやってきて心配そうに俺に問いかけた。

「風早くん、自転車で転んだって聞いたけど、大丈夫だった?」

「うん。俺は大丈夫。ただ、橘さんにケガさせちゃったんだ」

「あの、私に何かできることあったら何でもいって。
 何でもいいの」
黒沼は、真剣なまなざしで、心配そうな顔をしてじっと俺のことを見上げている。

目をそむけることなく、しっかりと俺をまっすぐに見つめる黒沼に、「うん。ありがとう。黒沼がそういってくれると、俺、何だかすごくほっとする」
と、心底そう思いながらこたえた。

俺と黒沼が話している時に、ちょうど橘さんが戻ってきた。
松葉ヅエをついていて、とても痛々しくみえる。

俺は、橘さんに駆け寄った。
「橘さん、足、大丈夫だった?」

「あー、捻挫よ、捻挫。だーいじょうぶ。
なんか、はじめの2-3日だけは足に力いれないほうが治りが
早いんだって。大げさにこんなもんもたされただけ。
でも、もうすぐテストだから戻ってきたんだけど、
もお、階段とかが大変でさー」
うんざりしたような顔をして橘さんはぼやいた。

「ところでえーと、なんだっけ? はやかぜ……くん?」

「風早です。風早翔太です」
……そんな風に名前呼ばれたの、俺初めてだな。

「ああ、風早そうたくんね」、

「……しょうたです」
脱力しながら答える。

橘さんはふーんとばかりに俺の顔をジロジロとみた。
まるで、人を観察しているような、品定めしているような目つきだった。

「翔太くんさあ、あんた、よく見る
と見てくれもまあまあいいじゃん。
だから、明日から1週間くらいあたしの付き人やってよ」

「えっ! つ、付き人って??」
突然の予想外の言葉に俺は、驚いて聞き返した。

「まあ、あたしの下僕……じゃあないね。召使いみたいなもん。
あ、悪いけど、あたしあんたの事タイプじゃないから。
年下興味ないし、そっちのほうはまーったく、心配ないから。
それにさ、あたしにはすごーく優しい彼がいるんだよね」

俺には拒否する権利はないというような、
全くの命令口調だった。
それでも、彼のことを話す時だけは、橘さんは夢見るようなうっとりとした目つきで話した。

「そんでもってー。 
しばらくうちの両親が朝は学校に送ってくれるんだけど、
迎えは無理だから、翔太が送ってよ。
あ、あと昼休みも来てよね。
ジュースとか買ってくるの大変だし。
大体、こんな格好でみっともなくてウロウロできないし。
まあ、松葉づえは2-3日だけど、一週間くらいすれば、
普通に歩けるみたいだしね」
さらに、追い打ちをかけるように、
自転車、空気入れときなさいよと、
ジロリと眉をつりあげながら言われた。

下僕? 召使い? 何のことだ??
それに、心配? 心配て、なんだ?
でも彼氏……いるんだ。 スゲー人もいるもんだな。
帰り送るのはイイとして、昼休みも?
そんでもってジュースを買いに行く?
この人、一体俺にどこまでさせる気だ? 
何させられるんだ?

次々とシャボン玉のようにめまぐるしく心に浮かんでいくクエッションマークに、俺の思考は休む間がない。
一方的にどんどん物事を決めて進んでいく橘さんに、
俺はあっけにとられ、空いた口がふさがらなかった。

「んじゃ、早速だけどさ、あたし、教室行きたいから。
あたしのカバンもってきて!」
俺の返事も聞かないで橘さんは当然とばかりに命令口調だ。

「あ、うん。あ、橘さん、ちょっと待って!」
仕方なく、橘さんのいう通りにする事にした。

俺はそばにいた黒沼に

「ゴメン、黒沼、あの人が、橘さん。
俺、あの人に自転車ぶつけちゃったんだ」

「そうだったんだ。なんだか、大変そうだよね。
風早くん、本当に何かお手伝いあったら、何でもいってね。
それと、き、昨日は私、先にかえってきちゃってごめんなさい」
すまなそうな顔をして、伏し目がちにあやまった。

「いーんだよ。それよりも俺、しばらく一緒に帰ったりできそうないや、ごめんな」

「翔太、早くしてよっ!」
橘さんがゆっくりと松葉づえで歩きだした。

「じゃあ、黒沼、また!」
俺は俺のできることしなきゃ、そう思いながら、橘さんのほうに走っていった。

松葉づえをつきながら、教室に入ってきた
橘さんと俺を見て、教室にいた3年生たちは、
「やよい? 足、どうしたの?」
と目を丸くして口々に聞いてきた。

「ちょっと、この人の自転車とぶつかっちゃってさあ」
橘さんが俺にあごをくいっと向けた。
俺は控えめにぺこりとおじぎをして、挨拶した。

誰かが「あー、知ってるよ。風早くんでしょ?」といった。

「え? なんで知ってるの?」と橘さんが聞き返すと、

「やよい、知らないの? この人3年でも人気あるよ。
結構有名なんだよ~」
と、その人は答えた。

「へえ~。あんた、有名だったんだ」
橘さんはもう一度俺のことを上から下まで遠慮ない視線でじろじろとみた。

「ま、色々ちょうどいいかもね」

ちょうどいいって?
一体何がだ? 何のことだ?
俺は訝しげに思ったが、その理由を知ったのは、
翌日の事だった。








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