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真夏の果実 2



ちょっと、長めの2番のお話です。






はあ~~と風早はため息をついた。

俺、今日はまだ一度もまともに黒沼と話してない。
っていうか、まともに目もあわせてないんだよな。

「あ~~~やっぱ、山の上はちょっと寒いね~」
でももう、あたしなんかこのキャンプが楽しみで、楽しみで!!」

「ちづ、がんばったもんね」

「風早、ちょい、爽子と一緒にバンガローの
鍵もらってきてよ」

「あっ。大丈夫!!一人で大丈夫だから」
俺は逃げるように一人でフロント棟のほうへ走っていった。

「ナニ、あれ? 爽子、あんたたち、ケンカでもしたの?」
風早の走り去る姿を怪訝そうな顔で見ながらあやねが爽子の尋ねた。

「ううん。そんなことないんだけど…
ちょっと私も一緒にいってくるね」
風早の走っていく後ろ姿をみながら、あわてて爽子が追いかけて行った。

木々の間からはぬけるような太陽が見え隠れする。
ひんやりとした林の遊歩道を抜けながら、
俺はちょっと自己嫌悪に落ちていた。

こんないい天気なのに、俺の態度よくないよな。
でも… 黒沼の事まともにみれないんだ。
あ~もう!
だって今日はいつもと雰囲気が違うんだ!!
そう、とても大人っぽくてキレイ…だ。
そんな黒沼をみていると
焦ってくるっていうか…
体が熱でもでるように熱くなってくる…

その時後ろから黒沼の声がした。

「風早くん。良かった。追いついた!」

「黒沼? どうしたの?」

「うん。今日まだ全然話してなかったから
一緒に行こうと思って」

「そっ、そっっか」

相変わらず彼女をまともにみれない俺。
彼女の少し先を歩く。

黒沼、今日かわいすぎるんだよな。
なんか、ちょっとまともに見れない。
それに、それに、今日結構露出のある服だよな?
……目のやり場に困るよ。
あっーーーー!もう。
何考えてるんだ、俺。
こんなの普通だよっ。普通。
そうさ、別にハダカでいるわけじゃ
ないんだから。
ハダカじゃ… ハダカ… ハダカっ!
うわ~。余計な事考えちゃった!!
俺、また、黒沼のこと見れなくなるぞ!!


「風早くん、あの、私何か気に障ることしたかな…」

「え…。ええっ!そ、そんなことないよ」

まだ俺は、黒沼を直視できない。

「うん。ならいいんだけど」

なかなか自分を、見てくれない風早のことを爽子は不安に思った。
(風早くん、今日は全然こっちみてくれない。
でも怒っているんじゃないって…
もしかして私の格好変なのかな。
風早くんにカワイイと思ってほしくて、
あやねちゃんとちずちゃんに選んでもらったんだけど…。
やっぱり私に似合わなかったかなあ…)

そんな事を考えながらうつむき加減でのろのろと歩いた。
と、その時、自分の髪がひっぱられるような感覚がした。

「バサッ!!」

枝のすれるような音に風早は振り返った。

「いった~い…」

どうやらおい茂った
枝が彼女の髪にひっかかったようだ。

風早はあわてて爽子に駆け寄った。

「大丈夫?」

「うん。ちょっと、下ばっかり見て歩いてたら。
いたっ。髪がからまったみたい…」

「うん。ちょっと待って。じっとしてて」

やわらかい髪が細い枝と絡まっている。
風早は爽子に痛みを与えないように、
爽子の後に回って慎重に絡まりをほどいていく。

黒沼の髪ってやわらかくてきれいだなあ。
それに、なんだろう。シャンプーかな?
いいにおいがする。
首もすごく細いし。ほんっと色白いよなあ。

でもまずいな、この距離。俺、こんなに近くにいたら…

風早は細くてさらさらの髪を
ほどきながら、彼女との距離の近さに焦る自分を感じた。
自分の体がかっーと熱くなっていく。


「あっ。とれたみたい。
ありが…」

爽子がお礼をの言葉を言おうと思った瞬間、
風早に背後から強く抱きすくめられた。

(えっ……。何……?
一体今何が起きてるの…? 風早くん??)

「か、風早くん、あの…」(//////)

「ごめん。少し、少しだけこのままでいい?」

「ハ、ハイ」

林の中にいるのは二人だけだった。
あたりには静けさが漂っている。
時折、鳥のさえずりや、木々の葉っぱの間を
風が通り過ぎる音が聞こえてくるだけだった。

(心臓がドキドキする…
聞こえているのは私の心臓の音?
それとも風早くんの心臓の音?)


「ーーーっ! ……すぎるんだよっ!」

爽子の耳元でうめくように風早が
つぶやいた。

「えっ? 何、風早くん?」

「黒沼っ、今日かわいすぎる!!」


(今、聞き間違いじゃないよね?
か、風早くんがかわいいって…
私の事かわいいっていってくれた…)

「うっ。うれしいな。風早くんに
そんな風に思ってもらえるなんて…
すごく、うれしい」 (//////)

「黒沼!」

くるりとは風早に体をまわされた。
風早は彼女と向き合ったものの、まだ
少し横をみて目をそらしている。

「ゴメンっ。今日、なんだかいつもと違うから。
雰囲気が違うから。
なかなか顔、みれなかった。
……かわいすぎて」 (//////)

うつむきながらもやっとの思いで
彼女に気持ちを伝えた。

「…?」
彼女の反応がない。

そぉ~と顔をあげると、
爽子も真っ赤な顔をして下を向いている。
大きなきれいな瞳。
伏し目がちな彼女のきれいな目の上で
長いまつげがゆらゆらと動いている。

風早の視線を感じたのか、
恥じらいながら、上目づかいで風早のほうをみた。

「うん。風早くん、うれしい」

いつものやさしい笑顔だ。
風早を釘付けにするあの陽だまりのような笑顔。

っ!かっ…。カワイイ。
カワイすぎっ…

風早は思わず、彼女の頬を両手で包みこみ、
じっとみつめた。
爽子はえっ?というような顔をした。

…目が離せない。

漆黒の色をした
彼女の瞳にすいこまれていくような
錯覚が起きる。
まばたきすら長く感じるような
ゆっくりとした時間が通り過ぎていく。

「好きだ」

澄んだ大きな瞳をみつめながら
風早はゆっくりと、そっと口づけた。
そう、まるで宝物にふれるように。
今までしまっておいた大切なものに
はじめてふれるよう時のように。
ふんわりと、彼女とくちびるが重なる。

そしてこんどは、頬へキスをした。
さらにもう一度唇へと、
やさしいキスを繰り返す。
やわらかい羽が
そっと撫でていくようなキスだった。

そしてそのまま、彼女を
逃がしたくないとでもいうように
しっかりと強く抱きしめた。

「好きだよ」

俺…このままずっとこうしていたい。
彼女を俺の中に閉じ込めておきたい。
俺の事だけみていてほしい…

風早の中で独占欲と幸福感が互いにせめぎあった。
彼女とふれあっていると
彼女をこうして抱きしめていると
幸福な気持ちが、あたたかな日差しのように
ゆっくりと包んでくる。

彼女が微笑むと世界が本当に素敵に
見えてくるんだ。

もう少しだけこのままでいたい…
風早がそう思って爽子の背中に
おいた手をゆっくり動かした。

その時、偶然に空いた背中から
直接風早の手が爽子の素肌に触れた。

うわっ。やわらかい…

そのやわらかさ、手触りのよさに
思わず風早は手を引っ込めた。
さきほどの過ぎ去った体の熱が再び
よみがえってきて、体がまたかあーっと熱くなりはじめた。

「黒沼っ。龍たち、待ってるよね!
いっ、行こうか!」

突然体を離した風早に
爽子はちょっと驚いた様子だった。
が、みんなを待たせているかもしれないと
言うことに気がついたのか、

「あっ。そっ、そうだね」

といって歩きだした。

しばらく二人は無言で歩いていた。
林の中は何事もなかったかのように
相変わらず静寂さが支配している。
沈黙を破るように、
風早が、口を開いた。

「あのさ…。黒沼!
俺、今のこと、あやまんないから。
俺、悪いことしたとは、全然思ってないから!
でも…ちょっと、しばらくはこっちみないで…」(//////)

「ハ、ハイ」(//////)

(今、風早くんと…。 今、風早くんとキス…
キスしちゃったよね。でも…うれしかったな。
もっと…ずっと…あのままでいたかったな…
そんなこと、女の子が考えるの、おかしいのかな。
風早くんはそんな女の子、好きじゃないかな…)

ちょっぴり顔を赤くした風早が、
少し足早に歩いていった。
風早の後ろ姿をみながら爽子の
胸の鼓動はさらに高まっていった。




本編ではクリスマスにキスでしたが、
こちらでは一足おさきです。
原作通りでなくてスミマセン。
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Re: タイトルなし

こんにちは。

お名前ないので、分かりませんが、ご訪問ありがとうございました。
大変ごあいさつ遅くなりましたが、こちらこそ今年もよろしくお願いたします。

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君に届け大好きな管理人です。仕事の合間に少しづつ、UPしております。 ブログ拍手重視しておりますので、お楽しみ頂ければ、拍手頂けると、日々の励みにさせていただきます。 又、日々の中、努力しながら生み出している作品です。無断転載、複製などは固くお断りいたします。 中傷は困りますがコメント歓迎です。初めての方でも作品の感想などお気軽にどうぞ。

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