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ラヴ・ミッション part 1  (1)

こちらの記事は、『君に届け』の二次小説に関する記事です。
原作とは一切、関係ありません。
記事をお読みになる前に、はじめての方は、「はじめに」を必ず、お読み頂いて、ご了承頂ける方のみ、お読みくださいますよう、お願い申しあげます。



こんにちは。
ちょっとうっとうしいかもしれませんが、今度から、上記の案内を記事のトップに必ず明記することにしました。
何も知らない方が、迷い入ってきて、びっくりされるならまだしも、ご気分悪くされたら、困りますので。
目ざわりかもしれませんが、気持ちよくブログをやっていくための自衛というか、まあ、ご理解ください。

ところで、コミックス派の方もいらっしゃるので、多くは語りませんが、今月の別マ!!
そりゃもう、甘い! 甘い! 甘~い!! 雰囲気です。


ちなみに、今回のお話は、これを読んでから書いたわけではありませんが、
ん?と思う方もいらっしゃると思います。
それと、3話分くらいを一度にUPと、前回の記事に書きましたが、読みづらいし、編集しにくい!
と、いうことでやめました。スッスミマセン

またまた、お付き合い、よろしくお願いたします。








「大体ね、男ってもんは、基本、面倒くさがりなんだよ」

両手を広げて、手ぶりをまじえながら、周りにさとすように語りかけているのは、
三浦健人だ。
教室の一角には、熱心に耳を傾ける爽子をはじめとして、うんうんとうなづいている女子の輪ができあがっている。
健人は、ぐるりと取り囲まれた、その中心にいた。

最近、昼休みのチャイムが鳴ると、健人の周りには、待ちかねたように女子たちが、一斉に集まってくる。
みんなのお目当ては、健人の話で、本人いわく、恋愛指南講座らしい。
たくさんの、女子に囲まれているせいか、健人もまんざらでもなさそうだ。


師匠の人徳はすごいなあ……と、いつもながら、爽子は感心させられる。


師匠はエスパーみたいに、気持ちを読むのが得意で、男子なのに女の子の気持ちも、よく分かってくれる。
無理やりではなく、自然に心の中にするっと入りこんで、溶け込んでいく。
誰もが気軽に声をかけられそうな、とっつきやすさ、屈託のない笑顔。
特技といってもいいだろう。
女の子の気分を安定させ、盛り上げるものを持っている健人は、風早のモテぶりとは、また違う人気を誇っている。

 
    男性は面倒くさがり
手帳にキチンと記したところで、健人が、みんなの顔を見渡して、質問あるー?と聞いてきた。

こんなにたくさんの人の前で、質問しても大丈夫かな……?

少し迷った。今の話とはちょっとずれるけど、聞きたいことがある。
爽子には、恋愛経験がなかったせいか、本当に何もかも、分からない。
風早とつきあっている今、世間一般的にはどうなのかと、色々気になるところだ。

周りをざっと見回したが、「ありませーん」と、声が聞こえ、誰からも質問する様子は、見られない。
結局、心配と恥ずかしさよりも、聞きたい好奇心が上回ってしまい、おずおずと口を開いた。


「あのー師匠、質問、いいですか?」


手をあげた爽子を見て、健人が、「おっ!」と、うれしそうな声を出した。
待ってましたとばかりに、身をのりだされる。


「なに、なに! なんでも聞いてよ~」

「名字でなくって、名前で、下の名前で女の子から呼ばれるっていうのは、
嫌じゃないのかな……?」

「いいねえー!イイ質問だねえ。貞子ちゃん」


いい質問……だったのかな!?
何がそんなに、いいのか、腕組みをしながら、ウンウンと訳知り顔でうなづかれた。
「まだ風早って呼んでんの!?」
どっかからそんな声が聞こえてきて、やっぱりみんなの前で、こんな質問は恥ずかしかったかな!? と、顔が熱くなる。

爽子と風早が付き合っているのを、知らない人は、誰もいない。
今の質問は、きっとみんなの頭の中で「風早くんは……」から始まる質問に、作り替えられただろう。
みんなにとっては当たり前でも、いざそれを、あらためて、いわれるとやっぱり恥ずかしい。
「もう、結構長いのにねー」と、非難めいた驚きや、同情するような声が、
次々と聞こえてくる。
ざわめく中、周りの視線が集まるのを感じて、目のやり場に困ってうつむいていると健人が、さも大切な話をするとばかりに、静かにっと人差し指を口にあてて、周りを静めた。


「嫌どころか、風早なら大喜びだろうネ。
いい? 男っていうのは、今言った通り、めんどいことはやりたくないワケ。
だから、受身が多いんだよね。ま、俺みたいなのは、例外ね。
例え、風早が、名前を呼びたいと思ってても、貞子ちゃんから、呼んでくれないかなあとか、待ってるわけ。
男のほうから、何か新しくはじめるとか、そーいうのは、あんまりしないんだよ」


「風早」、とみんなの前で名前を出され、もじもじと、小さく縮こまっていたが、そんな様子には、おかまいなしで、今度は逆に質問された。


「でもさあ、オレたちの前ならともかく、二人の時もそうなの? 
二人でこう、いい雰囲気とかになっちゃっても、名字で呼んでるわけー?」


好奇心いっぱいに目を輝かせながら、ずいっと迫ってきた。
いつも心配して、師匠が色々聞いてくれるのは、ありがたいっと、思う。
でも、そんなに近づかなくても、話せるのにっ!!
持っていた手帳を、自分と健人の顔の間に、しっかりと割り込ませた。
何とか距離を確保しながら、そんな、滅相もない!とあわてて答えをかえしたら、
肩をすくめて、ダメダメ~と、首を横にふって、否定された。


「なんで~! しょうたって呼んでやればいいじゃん。 絶対喜ぶよ、風早」


なんでっていわれましても……!
「しょうたくん」と、名前を呼んだのは、前に風早の家に行った時の一度っきりだ。
顔から一気に火が噴き出すような、強烈な気恥ずかしさに襲われて、あれから一度も呼んでいない。
あの時、風早くんが、喜んでたのか、驚いてたのかは、分からない。
恥ずかしさのあまり、両手で顔を隠してしまったから……

「そうだよね~! 風早、喜びそうだよね」

近くにいたトモが割って入って、爽子の肩を抱いた。
トモの同意を得て健人は、さも満足した様子で様子で、そのまま話しを続けた。
 

「大体俺からいわせると、風早と貞子ちゃんは頭で考えすぎね!
恋愛なんて、いきおいでがーっといかなきゃ。
難しく考えるのは、後でいいんだから、名前呼びたきゃ呼べばいーんだよ。
ちょっと、雰囲気変えれば呼べるんじゃないの?」


そうなのかな……!? 
視線をさまよわせた。
確かに、いつも考えすぎってあやねちゃんや、ちづちゃんに、いわれている。
でも難しく考えるなといわれても、経験が全くないせいか、ついつい、
色々と考えてしまう。
それに、師匠のいう通り、いきおいでがーっといったら、とんでもない方向へ踏み外してしまう気が……?


「え、えと……れんしゅう、します」


語尾を微妙にあげて、小声で答えた。
確かに健人の言葉には一理ある。
経験が全くない自分は、何をどうしたらいいのかなんて、いくら考えたって、分かるわけない。

    いきおいで、がーっと、名前を呼ぶこと。
手帳につけたした。

「だよね!! そうそう、ちょっと、気分変えるために、赤ちゃん言葉とか、使えばいいんじゃない? ネコ言葉とか、動物言葉とかさ? 
風早、萌え死ぬんじゃないの~?」

はあっ……!?
びっくりした拍子に、握りしめていた手帳を落とした。


「ネッ、ネコ言葉!?」


「あ、そうそう、あともう一つ、キスもね。
爽子ちゃんからたまにやってやると、もう大喜びだと思うよ。
なんていっても、風早は貞子ちゃんにメロメロだからね~」


「キッ、キス!!  メッ、メロメロッ!!」


聞いたことのない言葉や、衝撃的な言葉を次々に、ポンポン投げかけられて、
オウムのように、言葉をくり返すだけで、全くついていけない。
耳を疑う言葉の連発に、体が石のように、固まってしまった。

ネコ言葉って何   
メロメロって誰が? 一体誰に?


「あーでも、貞子ちゃんと、こんな風に話してるのバレたら、叱られちゃうかもな~。
風早さあー、俺と貞子ちゃんがしゃべってんの見ると、目がキラーンと光るんだぜ? 一瞬だけど、キラーンと!
あんなさわやかな顔してんのにさあ。
んでもって、さわやか~あに、俺にイジワルいったりすんだよねー。あはは」


目がキラーンと!? イジワルいう!?
誰が? 風早くんの話?
さっきから、健人のいう言葉の意味が、さっぱり分からない。
イジワルされるというわりには、なぜか、うれしそうだし。
ぽかんと口を開けていると、女子とは明らかに違う背の高い大きな影が、健人の背後に立っているのに気がついた。


「……おい」

背後からの声に、ビクンと、健人の肩が揺れた。
いつの間にか、戻ってきたのか、風早の姿がある。
どこから聞いていたのか、しっかりと会話が耳に入ったらしく、しかめっ面をさらしている。


「…………いつ、俺の目が光るんだよ」

「あれ!? ははははははははははははは!」


これ以上ないくらいに笑ってごまかそうと、立ち上がった健人の腕を、逃がさんとばかりに、しっかりと風早がつかんだ。


「風早く~ん、早かったね」

「とっくに予鈴鳴ってるだろ! っていうか、いつ、俺がイジワルいったんだよ!!」

「え~、だって俺が貞子ちゃんと話した後には、イジワルだよね~」

「…………っ!」


三浦……と、健人をジロリとにらんだ風早は、ハーとゲンコツに息を吹きかけている。
一方の健人は、風早の怒りには、慣れているようだ。
さして問題でないようで、両手で、まあまあと風早をしずめながら、相変わらずの微笑みだ。

仲いいなあ。
二人がちょっぴり羨ましくなり、微笑ましい気持ちで眺めながら、蛍光ペンをとりだした。
さっき記した「名前を呼ぶ」の部分に下線を引いてから、「よしっ」と、大きくうなづいてカバンにしまいこむ。

そのまま席に戻ろうとした時だった。
爽子の様子を確かめるように、視線を向けてきた風早と目が合った。

ハッ! もしや、今ってチャンス!?
みんなに、勇気づけられた今なら、よべるかも……!?
頭の中では、「名前を呼べば喜ぶよ」と、さっき聞かされた話が、ぐるぐると回っている。
さりげなく、気楽な感じで、肩の力をぬいて……

しょうたくん!!

……口を開けていたが、声がでていなかった。
開けた口は、そのまま力なくパクパクと動いたものの、やはり声にならない。
本気できょとんした様子の風早は、不思議そうな顔で、自分の席へと戻っていった。

むっ、難しいっ……!
あっけなく、失敗。準備不足だ。
次に風早と目が合ったら、呼んでみようと、決意した矢先だったのに。
ダメだったあ……がっくりと肩が落ちる。

それにしても、名前で呼ばれるとうれしいなんて、全然知らなかった。
席につきながら、健人への質問のきっかけとなった「コト」を思い返す。

一日だけ、さかのぼる。
「あー、風早じゃん!」
昨日の帰り道、二人でコンビニの前を通りかかった時だ。
後ろから女の子の明るい声が聞こえてきた。
振り向くと、立ち話をしていたらしい、二人組の女の子がこっちを、見ている。
風早の知り合いのようだが、高校では見かけない二人だ。

邪魔しちゃいけない!っと、少し離れて待っていた爽子の耳に、
久しぶりに会ったような3人の会話が、時々、入ってきた。
「……は元気?」「……は?」の会話の間に、知っている名前がチラホラ聞こえてくる。
その内、二人のどちらかが、「しょうたは……」と、風早を名前で呼ぶのに、気がついた。

抵抗なく答えながら、話を続けている風早の様子からすると、名前を呼ばれるくらい、親しい仲らしい。
仲いい子なんだあ、やっぱり、風早くんは人気者だな……
風早の顔の広さに感心しているうちに、ごまかしようのない、チクリとした痛みが、胸を襲ってきた。

待っていたのは、ほんの少しの間だったと思う。
お待たせっ!といいながら、小走りで戻ってきた風早が「中学の野球部のマネージャーだよ」と懐かしそうに話すのを聞き、ほっとして……

「良かった……」

心の中でつぶやいたつもりが、声に出してしまったらしい。
目の前の風早が、えっと驚いた顔をした。

こ、声、出てた    !!

ちょっと立ち話をしていただけなのに、こんな風に思ってしまった自分が、とんでもなく、恥ずかしくて、たまらない。
心臓がどきどきと、耳元で鳴っているような気がする。
顔をあげられなくって、うつむいたままでいたら、「黒沼」と、心配そうにのぞきこまれた。

「さっきの、ほんっとになんでもないから!!」

誤解されたくない。そんな気持ちが伝わってくるような、真剣な表情だった。
ただの友人を必要以上に親しい仲だと、勝手に勘違いした爽子にあきれることもなく、誠実に、真っすぐな気持ちを伝えてくれる。
そんな真摯な風早の気持ちに、心の中に温かい灯がともされたような安心感と、いいようのないうれしさが広がっていった。
「うん」とうなづいて、自然に笑みがこぼれだしたのをみて、安心したように風早が、

「でも、不意打ちで、そんな素直になられると、結構くる」
と、はにかんだような笑顔をみせてくれた。

今思うと、昨日、気にしてしまったのは、「名前」のせいだ。
ただしゃべっているだけの友達だったら、あんな風に、焦りに似たイヤな気持ちは出てこなかったはずだ。
「しょうた」って呼ぶなんて、特別親しい間柄なのかなって、勘違いしてしまった。
名前でよぶっていうのは、やっぱり特別なコトの気がする。

師匠に聞いたのは、目の前で、「しょうた」って呼んでいる子を見て、
私も呼びたい……って、そう思ってしまったから。


私が「しょうたくん」って呼んでも嫌じゃない?
いつも通りの、優しい笑顔で「何?」って笑ってもらえる?
もし、そうなら、自然な形で、呼びかけてみたい。


「しょうたくん」っていう宝物のようなことばで。











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Re: No title

さくらもちさま

こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
そして、初コメントありがとうございます。
さくらもちってとってもかわいらしいHNですね!

面白かったといわれるのは、すごくうれしいです。
あわよくば、皆さんの笑いをとりたいという下心があるものですからe-454
ケント先生は物知り!?なので、ここでは真剣に話しを聞く爽子を、
想像して書きました。
つたない描写ですが、楽しんで頂けたようで、良かったです。
またお気軽にコメント下さい。
このたびは、ありがとうございましたi-176
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君に届け大好きな管理人です。仕事の合間に少しづつ、UPしております。 ブログ拍手重視しておりますので、お楽しみ頂ければ、拍手頂けると、日々の励みにさせていただきます。 又、日々の中、努力しながら生み出している作品です。無断転載、複製などは固くお断りいたします。 中傷は困りますがコメント歓迎です。初めての方でも作品の感想などお気軽にどうぞ。

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